既刊

北朝鮮 「偉大な愛」の幻

北朝鮮 「偉大な愛」の幻 (上)


著者 ブラッドレー・マーティン(ジャーナリスト)
訳者 朝倉和子 (翻訳家)

2007年4月5日発売

四六判・上製 620ページ

定価 2,800円+税

ジャンル[ノンフィクション・各国事情]

ISBNコード 978-4-86228-012-1 C0031

*書評→

[金日成の作品、北朝鮮国家とは何か]

卓越した米国のジャーナリストが、金日成と北朝鮮国家にまつわる多くの謎を解く。金日成の満州やソ連領における抗日ゲリラ活動の真相とは? 魅力的な青年リーダーから巨大化する個人崇拝へと、いかにして変貌をとげたのか。ソ連からの干渉と決別、チュチェ思想誕生の経緯。50年代後半に韓国を上回った経済発展が70年代に逆転したのはなぜか。北朝鮮の闇、金父子の私生活の実態――。
ぼう大な資史料を徹底検証し、亡命者たちの証言を吟味して明かす北朝鮮の内幕。

ブラッドレー・マーティン Bradley K.Martin

1942年生まれ。ジャーナリストとして朝鮮半島や他のアジア地域を四半世紀以上、カバーする。「バルティモア・サン」,「アジアン・ウォールストリート・ジャーナル」,「ニューズウィーク」,「アジア・タイムズ」の記者を経る。現在は「ブルームバーグ・ニュース」の東京駐在特派員。本書の英語版は13年をかけて書かれ、米国内外で大きな反響をよぶ。

朝倉和子(あさくら・かずこ)

翻訳家、バー・ピアニスト。筑波大学付属高校卒業、東京都立大学人文学部史学科中退。訳書に『華人の歴史』(リン・バン著)『香港の起源2』(ティモシー・モー著、以上みすず書房)『CIA株式会社』(フレッド・ラストマン著、毎日新聞社)『チャイニーズ・ジレンマ』(イエリンシェン著、明石書房)他

目次

    日本の読者へ
    プロローグ
  • はたして楽園か――始めての北朝鮮本文(一九七九年)
  • 抗日戦士と賛美歌――若き日の金日成
  • 吹雪の長征――ゲリラ時代の金日成(一九三〇年代)
  • 魅力的な青年リーダー――金日成(一九四〇年代)
  • 命拾いした金日成――朝鮮戦争
  • 楽園を開いた指導者とともに――金日成(一九五〇年代)
  • ソ連とたもとを分かつ――金日成(一九六〇年代)
  • 偉大な愛が花開く――一九七〇年代の北朝鮮外交
  • 計画経済の偉業――北朝鮮の発展(一九七九年)
  • 待機する女性たち――金一族
  • 王子さま――若き日の金正日
  • 出身が決める運命――北朝鮮人として育つ
  • 金正日の文化革命――「忠誠の道」に導く
  • 壁に耳あり――国内スパイ網
  • ライバルの追放――金正日、後継者に指名される
  • 体制批判――強制収容所へ
  • 特閣接待員――女たちの夢の生活
  • 映画監督と女優の拉致――金正日の奇妙な優先順位
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北朝鮮 「偉大な愛」の幻

北朝鮮 「偉大な愛」の幻 (下)


著者 ブラッドレー・マーティン(ジャーナリスト)
訳者 朝倉和子 (翻訳家)

2007年4月5日発売

四六判・上製 620ページ

定価 2,800円+税

ジャンル[ノンフィクション・各国事情]

ISBNコード 978-4-86228-013-8 C0031

*書評→

[おれが死ぬなら、お前も死ぬ]

著者がインタビューした北朝鮮元政府高官や軍人を含む数多くの証言。
「妻に密告された」「やはり金日成には感動します」「軍人は金正日に従うのを嫌がっています」「経済制裁は大打撃にはならない」「同僚兵士はみな戦争を願っています。経済状況があまりに厳しいので、なにか変わってほしいというのも理由の一つです」「ディスコ音楽を知って人々は尻を振って踊りはじめた」「アメリカが体制を脅かさないことを保証してやることがとても重要です」
関係者や亡命者の証言を吟味し、ぼう大な資史料を分析して、北朝鮮の現状と未来、日米の今後の対応のあり方について貴重なヒントを与える傑出したノンフィクション。

ブラッドレー・マーティン Bradley K.Martin

1942年生まれ。ジャーナリストとして朝鮮半島や他のアジア地域を四半世紀以上、カバーする。「バルティモア・サン」,「アジアン・ウォールストリート・ジャーナル」,「ニューズウィーク」,「アジア・タイムズ」の記者を経る。現在は「ブルームバーグ・ニュース」の東京駐在特派員。本書の英語版は13年をかけて書かれ、米国内外で大きな反響をよぶ。

朝倉和子(あさくら・かずこ)

翻訳家、バー・ピアニスト。筑波大学付属高校卒業、東京都立大学人文学部史学科中退。訳書に『華人の歴史』(リン・バン著)『香港の起源2』(ティモシー・モー著、以上みすず書房)『CIA株式会社』(フレッド・ラストマン著、毎日新聞社)『チャイニーズ・ジレンマ』(イエリンシェン著、明石書房)他

下巻目次

19.   疲弊しきった国民――北朝鮮再訪(一)
20.   猛スピードの建造――北朝鮮再訪(二)
21.   「新しき人」――思想教育はどこまで有効か
22.   シベリア伐採場――祖国への見方が変わる
23.   その身にふりかかった不運――亡命者、朴秀賢の証言
24.   北朝鮮の怯え――第一次核危機
25.   おれが死ぬなら、お前も死ぬ――亡命者、金正敏の証言
26.   母国に円を送る――ある在日朝鮮人
27.   誘惑の風が吹いても――北朝鮮再々訪(1992年)
28.   火の海――第二次核危機
29.   あなたなくして国はない――指導権の世襲
30.   弾丸となり、爆弾となり――兵士と闘争精神
31.   クーデター未遂事件――頻繁に起きる反体制活動
32.   苦難の行軍のとき――飢餓
33.   ぜいたく三昧に暮らす売国奴も――企業家、交易者
34.   収容所の真実――体制の敵を待つ
35.   北朝鮮版、朴正き――経済改革の模索(二〇〇〇年)
36.   先軍政治――社会主義から民族主義へ
37.   後継者問題――息子にできなければ孫に
  エピローグ 平壌二〇〇五年十月
 
  謝辞
  索引
  アメリカで絶賛された本――高山秀子
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あいうえお・・・・・・ん 詩画集

あいうえお・・・・・・ん 詩画集


詩 大石陽次
画 太田拓美

花げし舎:発行 青灯社:発売

2007年4月14日発行

四六判変形・並製 105ページ

定価 1,400円+税

ジャンル[文芸]

ISBNコード 978-4-86228-011-4 C0095

「エスプリもウイットも辛口の人間観察もあって、充分楽しみました。日本語の『一字』によってこれだけの連想の広がりを実験して見せたことは大変なことです。絵の方はとてもセンスを感じました。曲にのせて歌にでもしたい作品が沢山ありました。」
――八木幹夫

「五十音順の頭韻の試みに大石さんならではの工夫が読み取られ、挿画もそれにふさわしいメルヘンタッチ、両者相俟ってみごとな童詩の世界のでき上がっていることに唯唯感嘆しています。」
――傳馬義澄

「近来、稀にみる痛快な一冊。言葉を音(おん)と形でとらえようとする試み。絵も超一流です。」
――藤富保男

「ひらがなが、とても似合う作品群とちょっぴり気取ったイラストレーションのコラボが一味も二味も違う作品集に仕上げた気が致しました。ひらがなで書き、考え、作っていくと『詩』も『心』も優しくなるのかなァ?などと思いながら読み進めました。とても懐かしい感じの作品になっていました。」
――山本博道

「自分を言葉の牢にに閉じ込めることによって、はじめて自由になれる部分があることに気づきました。『ふ』の詩と画など心にしみ入ってくるものがあります。」
――岡島弘子

「五月の風が、頁の間から吹いて来ます。」
――御庄博美

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ポスト・デモクラシー

ポスト・デモクラシー 格差拡大の政策を生む政治構造


著者 コリン・クラウチ (英国ウォーリック大学教授)
監修者 山口二郎 (北海道大学教授)
訳者 近藤隆文

2007年3月30日発売

四六判・上製 224ページ

定価 1,800円+税

ジャンル[政治]

ISBNコード 978-4-86228-014-5 C0031

*書評→

[平等主義はなぜ後退するのか]

今日、西欧ではポスト・デモクラシーと呼ぶ体制が進行し、民主主義が衰退に向かっている。労働組合が弱体化し、企業の利益代表と政府の相互交渉によって政治が形成されて、権力と富の再分配政策はとても望めそうにない。少数の政治エリートが大衆の要求の管理と操作法を習得し、選挙は見世物的なゲームと化した。また公共サービスのブランド化。しらけた大衆は社会的上昇のため教育に異常な関心を示している。
本書は富裕者優遇政策を生む構造的力を解明し、企業の政治支配防止、政党の再生、新たなアイデンティティ形成など、その打開策を探る。格差拡大の政策が進む日本の政治状況にも大きな教訓となるヨーロッパ最新の思索。
「日本政治を読み解く上でも、本書は有益な視座を提供してくれる。とくに、新自由主義政策によって不利益をこうむるはずの弱者がなぜこれを支持するのかという大きな疑問が、本書のいくつかの概念を応用することによって解決されるように思う。」
――山口二郎 (北海道大学教授)

コリン・クラウチ Collin Crouch

現在はイギリスのウォーリック大学ビジネススクールの教授を務める。イギリスを代表する経済社会学者。これまで、オックスフォード大学、ロンドン・スクール・エコノミクス、欧州大学院大学などで教育、研究を行ってきた。 知的関心の幅広い知識人として、現実政治にも深く関わる新しい社会民主主義者。

山口二郎(やまぐち・じろう)

1958年生まれ。東京大学法学部卒業後、同助手を経て、現在、北海道大学法学部教授。専攻、行政学。著書『大蔵官僚支配の終焉』『一党支配体制の崩壊』『危機の日本政治』( 以上、岩波書店)『日本政治の課題』『日本政治 再生の条件』『ブレア時代のイギリス』(以上、岩波新書)ほか。

近藤隆文(こんどう・たかふみ)

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒業。翻訳家。訳書『エブリシング・イズ・イルミネイティッド』(フォア著、ソニーマガジンズ)『セックス・イン・アメリカ』(ロバート・マイケル、ジョン・ガニョン、エドワード・ローマン、ジーナ・コラータ著)『バルサとレアル』(ポール著、以上、NHK出版)ほか多数。

目次

    まえがき
  • なぜポスト・デモクラシーか?
  • グローバル企業――ポスト・デモクラシーの世界の鍵を握る制度
  • ポスト・デモクラシーにおける社会階級
  • ポスト・デモクラシー時代の政党
  • ポスト・デモクラシーと商業化する市民権
  • 結び――私たちはここからどこに向かうのか?
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自閉症の君は世界一の息子だ

自閉症の君は世界一の息子だ 


著者 ポール・コリンズ(作家)
訳者 中尾真理

2007年1月23日発売

四六判・上製 368ページ

定価 2,400円+税

ジャンル[障害者教育・心理]

ISBNコード 978-4-86228-010-7 C0037

*書評→

自閉症者は人類を超えた人類

わが子モーガンは、文字が読める、数も数えられる。二歳児にしては異例の早さだ。しかし、呼びかけても反応しない、どうしても言葉を返してこない。障害児かもしれない、と医者にいわれて突然、すべてが違ってみえる。
いったい自閉症とは何か。ロンドンの宮廷に招かれた野生児ピーターの足跡を調べ、高名な専門医を訪ね、自閉症の芸術家や天才科学者の存在を知る。自閉症を知ることは、人間とは何かその本質を知ることだった。
言葉を育む悪戦苦闘の日々。ある日、子どもは初めて“パパ!”と父親によびかける。これは悲劇ではない、これがぼくの家族なのだ――。自分に言い聞かせ、自分も成長していく感動の手記。

ポール・コリンズ Paul Collins

アメリカの作家。19世紀アメリカ文学を研究。古書蒐集家。ニューヨーク市民大学などで講師をつとめ、マックスィーニー書店で「コリンズ・ライブラリー」を編集。『ニューサイエンティスト』『ヴィレッジボイス』などで執筆活動をしている。著書にアメリカでベストセラーになった『古書の聖地』(晶文社)、ほかにBanvard’s Folly:Thirteen Tales of People Who Didn’t Change the World.

中尾真理(なかお・まり)

奈良大学教養部助教授。専攻は英文学、とくにジェイン・オースティン、ジェイムズ・ジョイス。著書『イギリス流園芸入門』(晶文社)『英国式庭園―自然は直線を好まない』(講談社選書メチエ)『ジェイン・オースティン―小説家の誕生』(英宝社)ほか。訳書『ジェイン・オースティン料理読本』(マギー・ブラック、ディアドレ・ル・フェイ、晶文社)ほか。

目次

    第一部 野生児(ワイルド・ボーイ)
  • 思いがけない医者の言葉――突然すべてが違って見える
  • ロンドンの野生児――モーガンはシャワーを浴びる
  • 野生児ピーターは何者か――デフォー、リンネの調査
  • 診断結果を脇に押しやる――二人の沈黙した少年
  • 第二部 空から落っこちて
  • 厳寒のウィーンで自閉症児を追う――シカゴ大学の偽心理学者
  • モーガンの言葉の箱――癇癪をおこすには理由がある
  • 間違ってさえいない――深い集中を必要とする科学、芸術、数学
  • モーガン、文字と対話する――特別クラスの思い出
  • 第三部 親愛なるクロモフォン
  • バーブの教室――PECSを特訓する
  • 香りの音階――自閉症児の脳のしくみ
  • あの子には歌の調子がわかるんだ――モーガン、ピアノを弾き、歌い、メカニズムを研究する
  • 仲良しビッグ・バードと別れる――ロボットは自閉症児の親友になれるか
  • 第四部 数を頼む
  • モーガン、バスに乗る――ぼくが心配しない日は一日もない
  • 二匹の迷い犬――サンガー刑務所の介助犬養成プログラム
  • モーガン、言葉を使い始める――スーパーで飲み物を捜す
  • アートの天才たち――孤独な男の天気測定
  • 息子と初めて会話する――これがぼくの家族だ
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軍産複合体のアメリカ 戦争をやめられない理由

軍産複合体のアメリカ 戦争をやめられない理由

著者 宮田 律(静岡県立大学助教授)

2006年12月15日発売

四六判・上製 240ページ

定価 1,800円+税

ジャンル[各国情勢・国際政治]

ISBNコード 4-86228-009-9 C1031

*書評→

不合理なアメリカの戦争

アメリカはなぜイラク戦争を急いで始めたのか。「自由と民主主義」を実現するためなのか。イラクはいまや逆に反米テロを誘発し、泥沼状態にある。
戦争の動機に、軍産複合体という軍部と軍需産業の結合体の存在が大きい、と著者は指摘する。アメリカの政治・経済構造は、戦争によって利益を得る軍産複合体によって支えられている。それにイスラエル・ロビーやキリスト教右派、石油の利権がからむ。
つねに敵を探しつづけるアメリカ。イラクの次のターゲットはどこか。これまで正面から取り上げられることの少なかった軍産複合体の闇に迫る力作。

宮田律(みやた・おさむ)

現在、静岡県立大学国際関係学部助教授。一九五九年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、カリフォルニア大学ロスアンゼルス校大学院歴史学科修士課程修了。イスラム地域研究、国際関係論専攻。主著『イスラム石油戦争』(NTT出版)『中東イスラーム民族史』『物語 イランの歴史』(以上、中公新書)『イスラム世界と欧米の衝突』(NHKブックス)ほか。

目次

  • アメリカの軍産複合体とは何か
  • 対テロ戦争の背後にあるもの
  • 湾岸戦争と軍産複合体
  • キリスト教右派とユダヤ・ロビー
  • JINSAとイラン
  • アメリカの軍産複合体と中東
  • おわりに 戦争をやめられない理由
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新・学歴社会がはじまる 分断される子どもたち

新・学歴社会がはじまる 分断される子どもたち

著者 尾木直樹(教育評論家・法政大学教授)

2006年11月05日発売

四六判・上製 268ページ

定価 1,800円+税

ジャンル[教育・社会]

ISBNコード 4-86228-008-0

*書評→

エリートとその他大勢に分断される

学力の二極化が進んでいる。私立中学や中高一貫校に進む少数のできる子。塾や家庭教師を頼める富裕層の子弟で、詰めこみ教育復活の結果、早いうちからストレスをためこみ、家庭内暴力も少なくない。一方、その他大勢の、できる子以外は習熟度別授業で別コースに固定され、学習意欲も低く、将来の下流社会人候補だ。
経済界の要請を受けた国のエリート教育政策への転換が今日、経済格差による学力の二極化を進め、学校現場を荒廃させている。教師体験にもとづいた、子どもの立場にたつ教育論の第一人者が、その深刻な現状と再生を考える。

尾木直樹(おぎ・なおき)

1947年滋賀県に生まれる。
1971年早稲田大学教育学部卒業後、私立高校、東京都公立中学校教師を経て、現在、教育評論家、臨床教育研究所「虹」所長、法政大学教授、早稲田大学大学院客員教授。
現場の豊富な教師体験を生かし、子どもの立場にたつ教育論の第一人者。
著書『学校は再生できるか』『「学力低下」をどうみるか』『「学級崩壊」をどうみるか」(以上NHKブックス)『思春期の危機をどう見るか』『子どもの危機をどう見るか』(以上岩波新書)他

目次

プロローグ 拡大する学力格差
  • 広がる格差――下流社会化する日本
  • 教育格差と学校の多様化・複線化――競争原理と選択の自由の真相
  • 学力格差を拡大させた学力低下論――その経緯と真相と結末
  • 働き方・生き方の格差――ニート問題から見えるもの
  • 「勝ち組」の未来はバラ色か――バーチャルな金融教育の落とし穴
  • 親は「学力」要求よりも「心」――わが子の人格形成を求める
  • 機会平等、教育に希望を――ライフラインとしての教育保障
  • 新・学歴社会の予感――あとがきに代えて
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9条がつくる脱アメリカ型国家 財界リーダーの提言

9条がつくる脱アメリカ型国家 財界リーダーの提言

著者 品川正治(国際開発センター会長、経済同友会終身幹事)

2006年10月16日発売

四六判・上製 198ページ

定価 1,500円+税

ジャンル[政治・社会]

ISBNコード 4-86228-007-2

*書評→

アメリカ型不安社会から 脱け出すために

自民党や経済界は今、憲法九条を改定し、アメリカと一体となって日本を戦争のできる国に変えようとしている。経済界は、武器輸出禁止三原則を解いて、軍産複合体への道を開き、さらに、経済のグローバル化の中、軍事力をバックにしたアメリカ流の覇権型資本主義を推し進めようとしている。
経済界の大物ご意見番が、自らの中国大陸最前線での戦争体験や経済界の今日の危うい内情をもとに、渾身の力で憲法九条を擁護し、戦争をしない21世紀日本のかたちを展望する。経済人だからこそ見える9条改定の危険性。

品川正治(しながわ・まさじ)

現在、財団法人国際開発センター会長、経済同友会終身幹事。一九二四年、兵庫県生まれ。四四年、徴兵で中国戦線へ。戦闘のため今なお散弾の破片を体に残している。東京大学法学部政治学科卒業。日本火災海上保険(現日本興亜損保)社長、会長、経済同友会副代表幹事・専務理事を歴任。高潔な人柄と教養で経済界のご意見番として知られ、保守・革新を問わず人望が篤い。著書『戦争のほんとうの恐さを知る財界人の直言』他

目次

序 なぜ九条改定に反対するのか
  • 経済界の9条改定の動き
  • 中国大陸最前線へ――私の戦争体験
  • アメリカの軍事行動に従う日本
  • 九条がつくる21世紀日本のかたち
  • 日本とアメリカの価値観は違う
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人はなぜレイプするのか 進化生物学が解き明かす

著者 R.ソーンヒル(ニューメキシコ大学生物学教授)
    クレイグ・パーマー(コロラド大学人類学インストラクター)
訳者 望月弘子

2006年07月31日発売

四六判・上製 424ページ

定価 3,200円+税

ジャンル[社会問題・生物学・心理学]

ISBNコード 4-86228-006-4

昆虫のレイプ ヒトのレイプ

なぜ男はレイプし、女は多大の苦痛を覚えるのか。
レイプを防ぐにはどうしたらいいのか。
広く動物界にも存在するレイプと性淘汰を見きわめながら、進化生物学が解き明かす。
米国でフェミニストとの間で大論争を巻き起こした問題の書。

本書で、人間行動に関する他の進化系の書物よりも、ずっと慎重に議論が展開されているのは、高く評価してよいだろう。
──長谷川眞理子(総合研究大学院大学教授)

ランディ・ソーンヒル

ニューメキシコ大学生物学教授。動物行動学、進化心理学。

クレイグ・パーマー

コロラド大学人類学インストラクター。人類学、進化心理学。

望月弘子

翻訳家。訳書『進化の傷あと』『視覚の文法』(共訳)ほか。

目次

マーゴ・ウィルソンによる<まえがき>
  • レイプと進化理論
  • 男の進化、女の進化
  • なぜ男はレイプするのか
  • レイプの苦痛
  • なぜ社会科学者たちは進化理論を取り入れそこねたか?
  • レイプに関する社会科学の説明
  • 法律と懲罰
  • 男性のセクシュアリティに社会が与える影響
  • 教育プログラム
  • レイプを阻む障壁
  • 苦痛の軽減
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ナチと民族原理主義

著者 クローディア・クーンズ(デューク大学教授)

訳者 滝川 義人

2006年4月25日発売

A5判・上製 464ページ

定価 3,800円+税

ジャンル[西洋史・政治学・民族問題]

ISBNコード 4-86228-005-6

*推薦・書評→

あの惨劇はドイツ人の良心的行動からだった

多くのドイツ国民は、ユダヤ人排撃を黙認する道徳体系を信じた。その意識形成はいかにしてなされたのか。
従来言われたような、単なるナチの恐怖政治や宣伝のためではない。ヒトラーがユダヤ人について沈黙していた時期、民族の血統を信仰する民族原理主義に基づいて、異質の隣人を悪とする「崇高な」人種理論を、当時の学者や官僚など知的エリートたちがドイツ国民の間にひろめていった。そして殺人者たちは、ハンナ・アーレントの言うような単なる「歯車」ではなかった。
本書はその信仰形成のプロセスを、ぼう大な史料を駆使して解き明かすナチ研究の最前線。
民族原理主義は今日なお健在であるが、隣人愛を大罪とする「我われ」だけの共同体意識の惨劇を明るみに出す画期的労作。

クローディア・クーンズ

デューク大学歴史学教授。専門分野は、人種主義、ジェノサイド、ジェンダー。著書“More Masculin Men.More Feminine Women.:Gender and Race in Nazi Popular Culture.”『父の国の母たち』他
1987年度全米図書賞ファイナリスト他、多数の賞を受賞している。

滝川義人(たきがわ・よしと)

ユダヤ、中東研究者。メムリ(中東報道研究機関)日本代表。著書『ユダヤ解読のキーワード』他、訳書、ヴィストリヒ編『ナチス時代ドイツ人名事典』他

目次

プロローグ 民族の血統を信仰する
  • 民族原理主義へ
  • フォルクに寄せる無限の信頼
  • 学問ふうの反ユダヤ主義
  • ひそかに進む日常生活の変容
  • フォルクという血の大河
  • 新しい教科書の登場
  • 官僚たちの迫害手続き
  • 大量虐殺を用意する学者たち
  • 「隣人愛」という大罪
  • 排除を受入れた国民
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「うたかたの恋」の真実
ハプスブルク皇太子心中事件

著者 仲 晃

2006年1月15日発売

四六判・上製 320ページ

定価 2,000円+税

ジャンル[西洋史]

ISBNコード 4-86228-003-X

*書評→

皇太子と少女マリー、「不倫」の真相

19世紀末、ヨーロッパ中を震撼させた心中事件。ヨーロッパで今なお話題にのぼるこの事件は、「うたかたの恋」として、くり返し映画化もされてきた。歓楽と哀愁と腐敗の町ウィーンを舞台に、乱れた男女関係や冷厳な超保守主義者の父フランツ・ヨーゼフ帝との葛藤を軸にして、自殺へと追いこまれていく経緯と帝国崩壊の予兆を、新史料をもとに明かす。不気味な闇の深さを描く歴史ドキュメント。

仲 晃(なか・あきら)

桜美林大学名誉教授、元共同通信社ジュネーブ支局長
著書『黙殺』『ケネディはなぜ暗殺されたか』(NHKブックス)
訳書『マクナマラ回顧録』『ゲバラ日記』(みすず書房)

目次

  • バーデン駅長の至急電
  • 真相隠しの大作戦
  • 父と子の間の深い闇
  • ハムレット、ドンファン、そして……
  • 競馬場の天使
  • 雪山の道行き
  • ひとは花のごとく散る
  • ウィーンの恋の物語
  • 母のデスマスク
  • 愛と報復が招いた?世界大戦
  • ドナウ河畔に眠る
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歯はヒトの魂である 歯医者の知らない根本治療

著者 西原克成

2006年1月15日発売

四六判・上製 240ページ

定価 1,600円+税

ジャンル[歯学・家庭医学]

ISBNコード 4-86228-004-8

*推薦・書評→

名歯科医が歯科医療の欠陥を正す

  • 歯列矯正では、ふつう歯を4本から8本抜くが、その必要はなく、独自の方法で治せる。
  • 歯槽膿漏でグラグラの歯は抜くことが多いが、抜かずに治せる。
  • 現行の歯科インプラントは長期間使えないことが多い。著者の開発した人工歯根は画期的なもので、20年は使える。
  • 歯列は、横向き寝によって頭の自重でつぶされるなど生体力学の視点や、歯と体の病気の関わりなど歯の進化学をふまえて、歯科医療を抜本的に見直す。

西原克成(にしはら・かつなり)

西原研究所所長、元東大講師、日本人工臓器学会賞受賞
著書『究極の免疫力』(講談社インターナショナル)『内臓が生みだす心』(NHKブックス)ほか多数

目次

  • 美しい歯と役に立つ歯
    ──歯だけを治す歯科学を反省する
  • 虫歯と歯槽膿漏の話
    ──なぜ治せないのか
  • 歯を抜く話
    ──再植術を開発する
  • 歯と関連の深い身体の病気
    ──体の使い方の癖で起こる
  • 入れ歯と歯科インプラントと人工歯根の話
    ──新システムを開発する
  • 進化学から見た人間の歯
    ──ホヤの楯鱗までさかのぼる
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「二重言語国家・日本」の歴史

著者 石川九楊

四六判・上製

定価2,200円+税

ジャンル[文化論・歴史・言語]

ISBNコード 4-86228-000-5

*推薦・書評→

日本の精神のかたちを読む

日本語は、漢語と和語からなる二重言語。政治や思想の言葉・漢語の大陸からの流入と、それに対応する性や自然の言葉・和語の成立、両者の並存、融合、分離の歴史ドラマは「書」に表現されている。書がどのように書かれてきたのか、その表現技術と筆致の心理から、中国への異和、日本固有の美学の成立、大和ごころの幻視、中国の再認識等、時代精神の変遷を解明していく。書字論の鬼才が、無文字の段階から近代に至るまで、「二重言語」の視点で鮮やかに読み解く日本文化論。

石川九楊:京都精華大学教授

「一日一書」(二玄社)、「日本語の手ざわり」(新潮選書)、「二重言語国家・日本」(NHKブックス)、「中国書史」(京都大学学術出版会)、「日本書史」(名古屋大学出版局・毎日出版文化賞)、「書の終焉」(同朋舎出版・サントリー学芸賞)など著書多数。

目次

  • 言葉と文字〜日本史の見方・考え方
  • 無文字縄文時代〜表現の混沌性
  • 秦の始皇帝がつくった弥生時代
  • 擬似中国時代〜白村江の敗戦と日本の独立
  • 文化的中国化と万葉仮名の成立
  • 古今和歌集と女手 日本語の成立
  • 女手・日本古典時代の完成〜日本文化の成立
  • 分かち書きの誕生と藤原俊成・定家
  • 文官と武官と神祇官〜世界史の誕生は何をもたらしたか
  • 西洋文明の影響と寛永の三筆と流儀書道〜万世一系の書道
  • 儒学と国学 唐様と和様
  • 漢語・和語・西欧語と近代
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脳は出会いで育つ 「脳科学と教育」入門

著者 小泉英明

四六判・上製

定価2,000円+税

ジャンル[脳科学・教育]

ISBNコード 4-86228-001-3

*推薦・書評→

欧米を超える最前線の成果

過保護や溺愛は、環境からの入力刺激を遮断し、子どもの健やかな神経回路の発達を妨げて、非行に及ぶ可能性がある。脳こうそく後のリハビリは2ヶ月が勝負_。子育てのあり方やメディアとのつきあい、英語の学習法、認知症の回復、リハビリ等、子どもから高齢者に至るまで、脳を育むにはどうすればいいのか。国内外の「脳科学と教育」研究プロジェクトを先導する俊英が、驚くべき最新の成果と見通しを語る待望の書。

小泉英明:日立製作所基礎研究所フェロー

東大客員教授を歴任。脳画像の光トポグラフィ開発で世界的に名高い。大河内記念賞他内外の多くの賞を受賞。編著「育つ・学ぶ・癒す 脳図鑑」(工作舎)他。

目次

  • 一生にわたる脳の発達〜最近のトピックから
  • 赤ちゃんの脳を育む〜遺伝と環境の境界
  • 「脳科学と教育」の課題
  • 身体性と現代生活の問題
  • 意識下をのぞく
  • 心の形態学の構想
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高齢者の喪失体験と再生

著者 竹中星郎

四六判・上製

定価1,600円+税

ジャンル[社会・福祉・心理学]

ISBNコード 4-86228-002-1

*書評→

もっとも今日的なテーマに迫る

高齢者はどう生きたらいいのか。仕事や役割の喪失、衰え、心身の病い、親や配偶者の死。喪失体験を乗りこえ元気に生きがいをもって暮らす人、日常の些事に喜びを見いだす人、何もしないで閉じこもる人。どう生きるかに公式はない。「生きがい」や「自立」は望ましいが、こだわらずに"自分らしく"あればいい、と著者はいう。老人専門病院での豊富な臨床体験にもとづき、老年精神医学の第一人者が、一人一人の内面を見つめる味のある高齢者論。

竹中星郎:放送大学客員教授

老人専門病院の浴風会病院副院長、大正大学教授を歴任。「高齢者の孤独と豊かさ」(NHKブックス)、「明解痴呆学」(日本看護協会出版会)他著書多数。

目次

    はじめに〜役割を喪失して、それから……
  • 歌右衛門の衰えと女形の大成〜喪失と創造
  • 喪失体験とは何か〜悲哀と否認
  • 人生をふり返って点検する〜中年・初老期と喪失体験
  • 役割の喪失に代わるもの〜老年期
  • 人生の最終段階〜老いの孤独
  • 老年期をいかに生きるか〜“自分らしく”ということ〜
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